こんにちは。ハムイチです。
前回の記事でSC相模原新スタジアム構想についてまとめました。予算や地域性など様々な問題点がありクラブだけでは解決できない事もあります。
今回はスタジアム問題の後編ということで、SC相模原がJ2、J1クラブライセンス取得のために必要な解決策についてまとめていきたいと思います。
この記事の内容
- クラブライセンス制度とは
- スタジアム基準
- 相模原ギオンスタジアムの現状
- 今後の解決策
- まとめ
クラブライセンス制度とは?
クラブライセンス制度はドイツが国内のサッカーリーグに加盟するために作った規定が発祥のようです。日本は医療や政治など昔からドイツにたくさんのことを学んでいますよね。
この規定を模範としてヨーロッパチャンピオンズリーグの出場にこのような制度を導入したところ、大会の価値が向上しました。そのため大会に出場するクラブの審査が世界的に広まり「クラブライセンス制度」はFIFAも導入するようになりました。
アジアでも2013年からアジアチャンピオンズリーグの参加資格にクラブライセンス制度を導入することになり、日本でも2012年からJリーグで導入されることとなりました。
Jリーグのクラブライセンス制度はアジアサッカー連盟の作成した基準から日本が独自にJ1、J2に参加するための要項を加えたものです。J3の場合は日本が独自に作成したもののようですが、将来的にJ2、J1を目指すために大筋の内容は同様ですがカテゴリーに合わせた基準となっています。
審査項目
クラブライセンス制度には5つの審査項目があり、細かく分けると57項目あります。
1.競技基準
ユースなど育成に組織、選手との契約関係
2.スタジアム、練習場
3.人事、組織運営の配置が適切か
4.Jリーグの規定や競技規則を遵守してるか
5.適切な決算や監査をしてるか
クラブライセンスは1年毎に更新のためクラブは毎年これらの項目を見直しして申請しなければいけません。大変です…。
簡単に毎年の流れを説明すると…
6月に申請
7〜8月に審査
9月末に結果発表
といった流れになっています。
Jリーグ好きとしては全ての項目の詳細を深堀りしたい気持ちもありますが、かなりのボリュームになりそうです。今後少しずつ勉強することとします。
今回はスタジアム問題を取り扱っているためスタジアムの項目のみについて深掘りしていきます。
ホームスタジアム検査表
スタジアムの項目審査のために「ホームスタジアム検査表」という表があります。
主な検査項目としては
・スタジアム規模(観客席、VIP席、車椅子席、屋根、照明など)
・競技設備(ピッチの大きさ、芝生の質、ゴールの設置方法、ベンチの座席数・屋根、スコアボード、45分時計など)
・その他の部屋、スペース(ロッカーの広さ、シャワーの数、トイレの数、マッサージ室、エアコン、審判更衣室など)
・駐車場(観客、メディア用、大型トラック用、テレビ中継用、VIP用など)
これら57項目を項目によっては写真を付けて提出します。かなり細かく分類されています。
この検査表を毎年6月に提出するようです。昇格や降格の狭間にいるクラブスタッフは毎年この締切に追われるのでしょうか。サポーターは試合の結果に一喜一憂していますがこの制度を通過できるかどうかがクラブの戦いでもあります。
上記にスタジアムの検査項目を記載しましたが、より具体的にスタジアムの基準についてまとめたいと思います。
Jリーグスタジアム基準(2020年版)
スタジアム基準の項目の中には「達成が望まれる」「達成が望まれるが例外あり」「必ず達成する」といったチェックがあります。いわゆるグレーゾーンが存在するようです。スタジアム観戦でこれまであまり気にしていなかった点もあり驚いた点もあります。ここでは「必ず達成しなければいけない」項目から観客に関連する項目をピックアップしていきます。
観客席
・どの座席からもピッチ全体が見渡せること(J1J2J3)
さすがにサッカー観戦で座席からピッチが見渡せないことはないと思いたいですが、スタジアムの設計上、上部の席では柱が重なり一部見えないこともありますよね。私も経験しました。スタジアムによっては「見切り席」としてチケットが安価になっている場合もあり、ややグレーなスタジアムもあるような気もします。
★はクラブライセンスB等級規則該当
観客数
・J1は15,000人以上、J2は10,000人以上(芝生席は認められない)
芝生席はダメなのですね。川口能活選手の引退試合は芝生席も満席で10,000人を超えましたが座席をつくらないと。なお、この規定でこれまでもライセンス交付されませんでした。2021年は新スタジアム構想の例外規定で交付されました。
VIP席
・メインスタンド中央部でスタジアム全体が見渡せる位置に屋根付きで個別席を設置すること(J1J2J3)
ほとんどのスタジアムのメインスタンドに屋根があります。そのグレードは差がありますが。VIPを雨で濡らすわけにはいきません。
屋根
★すべての座席の屋根を覆う。又は1/3の座席を屋根で覆う(J1J2J3期限付きだが改善必要)
・新設、大規模改修を行うスタジアムは原則としてすべての座席を屋根で覆うこと。(J1J2)
これは相模原にとって現実的な問題です。新スタジアム建設、もしくはギオンスタジアム改修のどちらでも原則としてすべての座席を屋根で覆う必要があります。「原則として」というワードに逃げたい気持ちもありますが、手を入れるならしっかりとやれ、ということでしょうか。
照明
・ピッチ内のどの場所でも照度1500ルクス以上を保持し、均一であること。(J1J2)
スタジアムによっては「少し暗いな」と感じることもあります。ベンチが暗くても、ピッチ内が明るければ大丈夫なようです。
ピッチ
・天然芝又はJリーグが認めたハイブリッド芝(天然芝と5%以下の人工芝の混合)、常緑、平坦、水はけがよいこと(J1J2J3)
水はけはクリアできていないスタジアムは確実にあります。ここも現実としてはグレーな部分といえます。
アクセス
・公共交通機関が充実していない場合は入場可能数に見合う数の駐車場を確保すること。
ギオンスタジアムはまさに。ただ臨時も含めてかなりの台数がありますよね。公園利用者が多いと足りないこともありますが…。
入場券売り場
・販売するチケットの席種、料金を掲示できること。(J1J2J3)
当日券を購入することがないので分からないのですが掲示してますよね….。あまり気にしてなかったですが見たことないような…。
トイレ
・どの席からもアクセス容易な場所に男女別のトイレを十分に用意すること。(J1J2J3)
★1000人の観客に対して、少なくとも洋式トイレ5台、男性用小便器8台を備えること。(J1J2J3期限ないが達成必要)
以上になります。スタジアム基準は細かく決められていますが、クラブライセンスに該当する項目は「観客数」「屋根」と「トイレ」だけですね。クラブライセンス発表の時期にメディアでトイレと屋根の設置状況により条件付きの交付した、などのニュースを聞きますがこのような規定があるからなのですね。今までちゃんと調べていなかったので。
スタジアム基準は達成するための努力をしつつも、まずはクラブライセンス取得に向けた観客数10,000人以上(座席)、トイレと屋根の設置が直近の課題といえます。
相模原ギオンスタジアムの現状
上記で課題となった3つの項目について現在のホームスタジアムである相模原ギオンスタジアムにあてはめてみます。
観客席
15,300 芝生込
Jリーグの既定の座席は 6,315人
3,685人足りません。芝生席はギオンスタジアムの魅力でもありますが、座席の設置は今後の義務です。
屋根
屋根はメインスタンドしかありません。メインスタンドの客席は2,823人。このすべてをカバーできていませんし、客席の1/3を覆うも未達成です。
トイレ
メインスタンドが満員で2,823人。メインのトイレは男性小便器32基あり、1000人に対して8基以上をクリアしています。
バックスタンドは収容人数3,492人に対して、男性小便器28基、洋式トイレ3基。小便器はクリアしていますが洋式トイレは足りないですね。実際、人気の試合ではトイレ渋滞発生していますよね。なかなか満員にはなりませんが…。
相模原ギオンスタジアムの課題
課題はわかりました。もっと細かく考えるとたくさんあると思いますが、少なくとも3つはあります。
・バックスタンドに屋根を設置
・洋式トイレの増量
・ゴール裏の芝生席に座席を設置
これです。
サガミスタの皆さんにとっては承知の事柄かと思います。
そのための新スタジアム構想ですから。
でも、選択肢の一つに相模原ギオンスタジアムの改修もあるかと思います。
等々力競技場のメインスタンド改修、そして決まった全面改修。J1王者との比較はあれですが。
車社会の相模原にとって車でアクセスしやすいギオンスタジアムは地域性に合っているかと思います。公共交通機関の充実も必要ですが。
改修にも莫大な費用がかかりますし、市民の賛同も必要です。
近いうちに今後のスタジアムの運用や構想について発表があるかと思いますが、私の勝手な希望を書いておきます。
・バックスタンドを改修、屋根の設置と個別席に!
・洋式トイレの増加!
・ゴール裏に傾斜の急なスタンド設置!(NACK5大宮イメージ)
NACK5スタジアム大宮
https://www.sgp.or.jp/nack5
さいたま公園ナビ より引用
こうなれば最高です。J1でも使用できるかと思います。
ゴール裏芝生席で寝転がったり、こどもが走っている姿を見ることが出来なくなりますが、様変わりしたスタジアムで観戦したいものです。
これは私のギオンスタジアム改修案ですので。クラブ関係者でも相模原市の職員でもありませんで。ただの妄想です。
現在のギオンスタジアムも好きなスタジアムの一つです。しばらくはこのギオンスタジアムで戦うことになりますし、あの芝生席でサガミスタの皆さんと一緒にチームをサポートしていきたいと思います。